トロール



ムーミンが好きです。


28歳のおっさんが言うとこんなにキモイとは思いませんでした。
あと変換したら「ムー民」って出て、なんか海底に沈んで滅びた超文明の大陸国家の民みたいでした。


月曜から激務で気分もやさぐれていたところ、平日のぼくの栄養を一手に引き受けてくれている最寄のサンクスで、ムーミン60th記念のムーミンくじをやっていました。
525円でくじをひくのですが、マグカップやタンブラー、ポーチやクッション、巨大ぬいぐるみなどが当たります。


一月ほど前から気にはなっていたのですが、その店員の人にいってくじを引かせてもらうと言う形式から尻込みしていたのでした。
おっさんが「むーみんくじやらしてください。」とか来たらたしかに怖いです。
しかも最寄のサンクスでは致命的です。


ムーミンといえば、小学校の図書室で、トーベヤンソンさんのお話を、特に山室静さん訳のものを夢中で読みふけったのが最初でした。
いろいろな方が訳されていましたが、山室静さんの訳は特別文章に幻想的な雰囲気とあたたかを感じたのです。
小学校のときの図書室の時間はムーミン江戸川乱歩で過ぎていったものでした。
えらい組み合わせです。
趣味悪いです。


今日はあのマグカップでコーヒーを飲みたい。
そうでないとこのやさぐれた気分は消えない。
そう思ったぼくは、レジにだれも並ばなそうなときを狙って、525円払い、くじをひいたのでした。
見事にニョロニョロのマグカップを当てました。
次はスナフキンが狙いたい。
テンションもあがろうというものです。


こんな安いもので気分がよくなるなんて安上がりなやつだと思いました。
ぼくの価値というものは、525円で容易く左右されてしまう程度のものだということです。
つぎはニョロニョロ抱き枕を狙うぜ!
キモ。