言ったも同然



サムいダジャレなどは、OLなどに「オヤジギャグ最悪ー」などと忌み嫌われるわけですが、ぼくはサムいギャグというものが昔から大好きです。
話が一しきり盛り上がって、ほんの隙間に出来た静寂に響き渡るサムいギャグ。
その場にいた、言った本人以外の頭には、「寒」という言葉が同じタイミングで等しく沸き起こり、絶句します。
この静寂がものすごく笑えるのです。
あー、あいつ、やってもたー。
という笑いです。
というわけで、当然ぼくも日常生活のさまざまな場面で、ダジャレが脳に浮かんでは消え、浮かんでは消えおります。


サムいギャグを思いついてしまった場合、そのまま口に出してしまうと、オヤジギャグのレッテルを貼られ、オヤジギャガーとしての道を歩まねばならないことになります。
対して、それを飲み込んだ者は、オヤジ化のそしりを受けることをその場では免れることができるのです。


今日友人たちとファミレスでご飯を食べようということになったのですが、異様に長いことメニューをなやんでいる男がいました。
そこでぼくは、「なにそんな悩んでるんな。お前は悩んデルタール人か!」と突っ込んでいる自分が頭の妄想に載ってきました。


悩んデルタール人は、いつもかなり頭を悩ませている。
いったい、自分は誰の祖先なのか。
このまま人になっていって良いのか?
だいたいいっつもなんで裸やねん。
たまにはおしゃれして街を歩きたい日もあるさ。
ムダ毛の手入れだってしたいっちゅうねん。
あと、そういえば、ハーンバーグセット頼んだらいいんちゃうん?


悩んだ末、ぼくは悩んデルタール人には帰ってもらうことにしました。
今日もひとつ、オヤジギャグの発生を食い止めました。
今日のぼくは勝ったと言えるのではないでしょうか?