映画 / ホテル・ルワンダ



フツ族ツチ族の間で続いていた内戦がようやく終息し、和平協定が結ばれようとしていた1994年のルワンダ
フツ族大統領がツチ族によって暗殺されたとの報道を切欠に、フツ族によるツチ族虐殺が始まります。


主人公のポールは、ツチ族の妻を持つフツ族であり、ルワンダの首都キガリの国際高級ホテル、ミル・コリンの有能な支配人です。
3ヶ月の間に100万人もの人々が惨殺されることになったこの事件の中で、彼はツチ族1200人をかばい通します。


しかし、こういう映画などを、
「あざとくて感情移入できないんだよね」
だとか、
「結局これ観たからって何ができるわけでもねぇし」
などという意見が怖いのです。


無関心は無自覚の行動を生み、そのような無自覚が往々にして悲劇を引き起こします。
こういう10代の屈折したシニカルさを卒業できずにいる大人を結構見ます。


これを観て、民族間での争いの無意味さを思い、罪もない人々の死を悲しみ、あってはならないことだと感じるのは、人として当然の感情です。
そしてそれはとても大事なことです。


これを観た人たちが、「家族を守る男」かつ「ホテルマン」としてあり続けた、主人公ポールの行動に、大人として共感を覚え、尊敬の念を感じることを願います。