Positive or Negative



ぼくは生まれてからのほとんどを「長い目」で過ごしてきました。


髪型の話です。
高校の3年間は、校則で後ろ髪を刈り上げでいましたが、それ以来刈り上げたこともなく、長髪好きの名を欲しいままにしてきました。
先週末は、ずいぶん放っておいてしまった髪を切ろうといつもの美容院へ行きました。
「また適当に軽くして下さい。」
と言うと、美容師さんは、
「会社は髪型とかうるさいの?」
と聞いてきました。
「いえ、全然。」
と答えたのですが、そのやりとりに、ぼくは何か予感めいたものを感じるのでした。


いつもの癖で、考え事をしている間にすべてが完了していました。
髪型は、片方は長く、片方が刈り上がっておりました。
アシンメトリーだかなんだか知りませんが、非対称なのは見てわかります。
とりあえず、80年代のミュージカル俳優か、大正、昭和初期のモボか、といったような仕上がりになっていました。
その美容師さんは、いつも来るたびに、ぼくの変な趣味の服装を見て何かやりたがっているなぁと感じていたのですが、ついにやりやがりました。


ぼくの視線を感じた美容師さんが、
「むずかしそうなら、直しましょうか?」
と聞いてきました。
いいですよ、いいですよ。そんな直すだなんて。
昭和初期も、80年代ミュージカル俳優も大好きですから。


会う人会う人に、
「誰かと思った。」
って言われる日々。


しかし、密かに、高校時代を思い出して懐かしくもあるのでした。
髪型も変わって生まれ変わったようにフレッシュな気持ちで毎日を!


・・・。
でも修羅仕事は厳然とそこに横たわったままなので、フレッシュのフは腐乱の腐なのでした。
もう鬱死する!