ハイマー



ぼくの住む姫路という街は、高い建物がなく、見上げれば視界いっぱいの空を見ることができ、山も近く、田んぼや畑の残る、たいへんカントリーなところです。
毎日のチャリチャリ通勤路には、その中でもさらに大通りを避けて細い道を選んでおりますので、本当に日本の田舎の風景といった風情なのです。


ですので、夏にはぼくの背丈よりも大きい向日葵が畑一面に咲いているのを見ることができますし、この時期には光る稲が田んぼいっぱいに実っております。
昨日、その田んぼの稲が刈られて丸裸になっておるのを見て、ああ、もうそんな時期なのか、と思いながら通り過ぎたのです。


今日、その田んぼには垂れる稲穂が元通りに実っておりました。


・・・。
あれ!?
昨日刈られてたやん!
どしたん!?
夢見てた!?


そういえば、この夏も、ぼくの背丈をゆうに越える畑一杯の向日葵が、すべて採られているのを見た次の日、元通りになった向日葵を目の当たりにした記憶があります。


これはなんでしょう。
ぼくが知らないだけで、何か農業をする人にとっては当たり前の工程が隠されていたりするのでしょうか。
それとも姫路に古くから住む妖怪「1日だけ刈り取り」の仕業ですか?


一番ありそうなのは、いよいよぼくの記憶に障害が出始めたということです。