ヘビの抜け殻500円で買わないかと言われた



ぼくの家の裏にはとても小さな山があるのです。


そこは山全体が神社になっていて、裾にメインの境内があるのですが、頂上への階段を登る途上にも、何やら謎のカエルくんが祀ってあったりして、なかなか興味深い雰囲気をしておるのです。
頂上はちょっとした(本当にちょっとした)広場になっていて、姫路の街が一望できる上、花が植えてあったり、ベンチやテーブルが置いてあったりして、なかなかの癒し系スポットとなっておるのです。


何より素晴らしいのは、人が少ないということです。
たまに元気なご老人が、ジョギングや散歩に訪れる他は、ほぼ自分の庭状態を楽しめるのです。
このあたりが姫路という街のやめられないところです。


この日曜は、日差しも強くなく良い気候でしたので、そこでお昼を食べながらワインなどをかっくらっておったのです。


そこへ、二人の小学生ぐらいの少年が登ってきました。
今時の小学生も、こんなところへ遊びに来たりするのだなぁ、などと思いながら見ておると、彼らは神社の裏へ通じる薄暗い階段の方を下りていきました。
程なく、彼らは口々に「うわーーー!」などと叫びながら階段を登ってきました。
「なんや、どないしたんやいな。」
と聞きましたところ、
「なんか白いのんおった!」
「草むらをガサガサって!」
「でっかい白いのん!」
と大興奮なのでした。


「マジでマジで!?」
とばかりに、食いついたぼくは、小学生に混じってプチ肝試しをすることになりました。
彼らは試験管のようなプラスチックのスプレー容器に、神社の水を汲んで魔よけとするなど、冒険グッヅを所持しており、冒険準備は万端なのでした。
今時の子供らは、色々なアイテムを持っているものだ、と感心しながら、ところで二人は非常に仲がよいが、同年代に見えるので、兄弟ではなく学校の友人なのか、と思い、
「ときに少年よ、きみらは何歳なのだ。」
と聞いたところ、11歳の小学6年生だということなのでした。
逆に何歳なのかと聞かれ、何歳に見えるか、と問うたところ、40歳、などと言いよるので、それはお前らの親父やろ、と答えたのです。


そこではたと気づいたのですが、ぼくは30歳。
彼らは11歳。
一回りどころの騒ぎではない差です。
それどころか、ぼくが19歳で子供を産んでおれば、なんと彼らの歳の息子がおるはずなのです。


息子のような年齢の子供と同レベルで遊ぶ30歳。
警察呼ばれてもおかしくない。